

KIGOの新定番 25oz numbers duck (1/4)
2018AWコレクションから、25oz numbers duckが新たにKIGOのラインナップに加わる。 KIGOのラインナップに素晴らしい素材が加わる。 質実剛健のダックが、時を越えてやって来た。 見た目は帆布と何も変わらないが正確には25oz numbers duck という生地で、帆布ではなくダックと呼ぶのが正しい。見た目は帆布もダックも違いはないのだが、厳密には由来が違うそうだ。ただ、その違いには諸説あって、その真偽を確かめる知識を持ち合わせていないので、ここではダックと呼ばせていただく。 このダック、素晴らしく緊密でしっかり織られている。 聞けば、旧式力織機(キュウシキリキショッキ)で織られているという。 (※旧式力織機の説明は後ほど。) なるほど、それならしっかり織られているのも納得だ。 しかしこの生地、驚くほどドラマチックな経緯を辿って我々の手元に届いたものだった。 その経緯の話の前に、布ができるまでについて少々解説しておこう。 まず、布を必要とすれば糸を織る。 経糸(タテイト)と緯糸(ヨコイト)を交差させて作る。つまり


世界に一つのKIGO's Bull
歴史的には、北米でブーツにも使われて来たブル。 それでもKIGOが作り上げたKIGO's Bullは、世界においても特別な価値をもちます。 KIGO's Bullが世界のどのブルとも違うのは、その製造工程にあります。 ブルの希少さには触れましたが、歴史的にはブーツなどにも使われて来たブル。そのブルを採用したKIGO's BULLが、世界でも唯一の特別な価値をもつには大きな理由があります。 それを理解していただくにはまず、”皮”と”革”は別物であること、そして鞣(なめ)しという工程についても知っていただかなくてはなりません。 ”皮”は、そのままではただの生モノで何の手も加えられなければ腐ってしまいます。それを鞣すことによって、容易には腐らない”革”にするのです。この鞣しをするのが、タンナーと呼ばれる人々で、鞣しにタンニン(植物の渋)が用いられて来たことから、こう呼ばれています。 鞣しに関わる作業は、効率を求めて機械化されて来ました。重労働から解放され品質の安定した生産を可能にした一方で、職人の手から離れ、機械以上の手作りのクオリティを失


Bullhideとは
KIGOは、Bullhide(ブルハイド)ブランドです。ではそのBullhideとは一体何か。 そもそもブルハイドとはいったい何なのか? 残念ながら、業界の方でも知らない人は多いのです。それほど皮革として用いられるのはマイナーな革なのです。 Bullhideとは、成牛の中でも去勢されていないオス牛の皮のことです。ブルとは ”おとなの男” のことなのです。ロデオ(Bull Riding)で大暴れしている大きな牛、といえばイメージしやすいでしょうか。 そもそもバッグなどに使われる皮革は、食肉の副産物を活用したものです。 食肉にされる牛は、メス牛(美味しいと評判の処女牛や乳の出が悪くなったメス牛なども含まれる)か、去勢されたオス牛がそのほとんどです。そのいずれもが飼料効率(餌の量に対しての成長比率)がいい1歳半~2歳ほどで屠殺され、食肉にされます。 オス牛は、種牛に使えるかどうかの選別基準で全てが決まります。良質な肉質の子孫を遺す、などと評価された者のみ去勢されず、屠殺を免れます。その選別は複数回行われるため、特に優秀なオス牛を除き、ほとんどが3歳