#2 KIGO's BULL
世界に一つ
のワケ
ブルの希少さは前項で触れましたが、歴史的にはブーツなどにも使われて来たブル。そのブルを採用したKIGO's BULLが、世界でも唯一の特別な価値をもつには大きな理由があります。
ブルの希少さは前項で触れましたが、歴史的にはブーツなどにも使われて来たブル。そのブルを採用したKIGO's BULLが、世界でも唯一の特別な価値をもつには大きな理由があります。
それを理解していただくにはまず、”皮”と”革”は別物であること、そして鞣(なめ)しという工程についても知っていただかなくてはなりません。
”皮”は、そのままではただの生モノで何の手も加えられなければ腐ってしまいます。それを鞣すことによって、容易には腐らない”革”にするのです。この鞣しをするのが、タンナーと呼ばれる人々で、鞣しにタンニン(植物の渋)が用いられて来たことから、こう呼ばれています。
鞣しに関わる作業は、効率を求めて機械化されて来ました。重労働から解放され品質の安定した生産を可能にした一方で、職人の手から離れ、機械以上のクオリティを失ってしまったのは、否定できない事実です。
そこでKIGO's BULL は、あえて1950年代頃までは当然のように行われていた、昔ながらの製造方法で革を作っています。丁寧に愛情を持って作られる我々のブルは、最初から最後まで人の手で作られます。
例えば、革の良し悪しを左右する重要な鞣しという作業では、多くのタンナーが4~5日かけて行うのが一般的ですが、KIGOのブルは40~50日かけて鞣します。
そして、革を平らに伸ばす工程では、革の縁に数百個の釘を打ち付けて整形しながらスノコに固定します。この釘打ちと釘抜きの作業はKIGO's BULLが出来上がるまで複数回繰り返されます。
この方法を未だに続けているのは日本に数社しかありません。
また、革は鞣す段階で大量の水分を含んでいるため、乾燥させる必要がありますが、ここでも乾燥装置を使わずじっくりと自然乾燥させます。他の革に比べて分厚いブルは、特に乾燥に時間を要し、乾燥に2週間ほどかかります。
そして、革に油分を加える作業も革づくりには欠かせませんが、この作業でも機械を使わず職人の手で塗りこみます。一晩寝かしてしっかり浸潤するのを待ち、さらに熱を加えてより革の深部に染み込ませます。この作業は通常1度しか行われませんが、我々のブルは何度も繰り返し行います。
さらに、粗野で堅いブルをしなやかに表情豊かに、いかなる手間も惜しまずブルを作り上げています。革の本場であるイタリアと肩を並べるほどのクオリティと言っても過言ではないでしょう。いや、もはやそれを超えてしまっているのかも知れません。
以上の工程はKIGO's BULL が出来上がるまでの工程の、ほんの一部でしかありません。ここには多くの企業秘密があるため多くは明かせませんが、これほど革1枚に手間と知恵をかけたブランドはないでしょう。画像を見て伝わるかも知れませんが、使ってこそ分かるこの良さを、世界に一つの価値を、手にしてください。
もしも我々のブルが重いと感じたら、それは我々作り手の想いかもしれません。