KIGO初のレザージャケットが完成
更新日:4 時間前

8年をかけて開発した、実現不可能と思われたブルハイドレザー
ブランド初のレザージャケットとなる「GP JACKET —— GENERAL PURPOSE JACKET」を発表します。
構想の出発点は、ヴィンテージジャケットの再現ではありません。
日常のさまざまな場面で心地よく身体を動かせる、実用的な 防寒活動着 をつくることでした。
そのために必要なブルハイドレザーの開発には、実に8年を費やしました。
KIGOにとって一つの到達点であり、今後のモノづくりにおけるマイルストーンとなる一着です。
相反する要素を、一枚のブルハイドレザーに
ブルを、
柔らかくすること、
薄く仕上げることは容易なことです。
ブル特有のシボを際立たせる方法もあります。
植物タンニンで鞣すことだって、もちろんできます。
しかし、それらを同時に実現するのは至難の業なのです。
我々が目指す革の品質は、何10年でも愛用したくなる、何10年でもカッコよくなり続けるレザーです。
となると、たかが革の開発とはいえ、なおさら困難を極めました。
安直に柔らかさを求めれば、繊維の締まりがなくなり、コシが失われる。
薄くしてしまうと、ブル特有の力強い表情が失われ、強度が落ち、フルタンニンならば破けることすらあります。
本来は一長一短となるこれらの要素を、どこまで高い次元で共存させられるか。
われわれは、効率化されてきた現代の製造工程そのものを疑い、古くから受け継がれてきた製革技術を見習い、さらに科学的なアプローチを繰り返してきました。
この8年の過程で我々が納得できる品質のブルをつくることに成功した製革方法は、従来行われてきたものとは一線を画す方法になりました。
われわれは、このKIGOが独自に開発した製革方法を「静浸(せいしん)製法」と名付けました。
そしてさらに手を加え、レザージャケット用のブルを完成させました。
革の繊維を引き締めつつ、かつその繊維構造を極力壊さないように維持しながら、しなやかさを与える。
丁寧に革の内部構造を整えていく製法です。
従来とは異なるこの独自の製造方法は、製革工程で大量に消費される水と電力を18.5%〜20%軽減し、製造従事者の肉体的負担を軽減するメリットを意図せず副次的にもたらしました。
完成した革は、植物タンニンによるフルタンニン鞣しでありながら、しなやかで柔軟。それでいて繊維の締まりによる適度なコシを保ち、長く愛用しても簡単にはコシの抜けないものになりました。
もちろん、ブルならではの力強い表情を失わず、これぞブルと唸る納得の革です。
このブルの開発によって初めて、着た瞬間から身体への馴染みがよく、動きを妨げにくいブルハイドレザージャケットを実現しました。
年月とともに色艶を深め、着る人の動きや生活を刻みながら変化していきます。
その先にどのような表情が現れるのか。私たち自身も、楽しみでなりません。
過去を模倣せず、日常から設計する
GP JACKETは、特定のアンティークやヴィンテージジャケットへのオマージュとしてデザインしたものではありません。
目指したのは、現代の日常生活で使いやすい『防寒活動着』です。
動きやすさを確保するための広めのボックス型ボディ。
腕を自然に動かせる、ゆとりのある袖。
風を受けても大きく煽られにくいショールカラー(丸襟)。
そして、着座時や車の運転でも邪魔になりにくい短めの着丈。
用途を起点として一つひとつの形を決めていった結果、1920年代後半から1930年代にかけて登場した、民生用レザージャケットに通じる姿へと辿り着きました。
カーコート、ランチャージャケット、ワークジャケット、コサックジャケット、スポーツジャケット、いずれの要素とも重なりながら、そのどれか一つには分類できないジャケットです。
それは、当時のジャケットを再現していないからです。
まだ用途別の分類が明確でなかった時代の設計者たちとKIGOが、同じように「日常で役に立つこと」から形を考えた結果といえるかもしれません。
そこで、我々はこのジャケットを「GP JACKET」と名づけました。
GPとは、“GENERAL PURPOSE”——汎用を意味します。
仕事ではスーツの上から。週末にはシャツやニットの上から。車を運転するときも、屋外で身体を動かすときも。着る場面やスタイルを限定しない、実用的なレザージャケットです。
美しく、迫力のある後ろ姿

実用性と同時に追求したのが、着用したときの美しいフォルムです。
特に見ていただきたいのは、着用時の後ろ姿です。
身体の線をスリムに見せるのではなく、肩から腰にかけて自然な逆三角形を描き、男性らしく力強い体型に見えるよう、ヨークの位置や切り替え線、身頃のバランスを細かく調整しました。
広い背中を形成するバックボディには、途中で継ぎ合わせのない贅沢な一枚革の仕様です。
ブルの大きく不規則なシボと、一頭ごとに異なる表情を、遮ることなく味わえる設計としています。
この一枚モノのバックボディを確保するため、革の状態や個体差を厳しく見極めて裁断します。基本的に、一枚から製作できるジャケットは一着のみです。
効率よりも、完成したときの迫力と美しさ。そして何より、長く愛用を愉しめることを優先したい。
それが、ただのブルハイドレザーブランドではなく、革製品を専門に扱ってきたKIGOの理念です。
裏地の技術
このGPジャケットの裏地は、ゼロトルク®撚糸のスペシャリストであるエップヤーン有限会社(東大阪市)に協力を仰ぎ、実現しました。
彼らの高い技術により、永く愛用しても形が撚れない稀有な生地です。
経糸にリネン、緯糸にウールを配した交織の生地で、通気性と保温性を併せ持った独特の綾織りの生地です。
経糸のリネンにはフランスのテレデラン社の供給するフラックス原料の中から、一等亜麻と呼ばれる上質なものを厳選して使用しています。
このフラックスをウェットスピニングという紡績方法で紡がれたリネンは光沢があって毛羽が少なく、滑らかな肌触りが特徴です。
一方、緯糸に使用しているウールには、Super 100’s に格付けされる18.5μmの繊細な原毛を使用しています。
多くは梳毛で紡績するところを、紡毛で紡績しているので、細くてもふくらみと柔らかさがあり、しなやかかつウールらしい風合いを演出します。
経糸のリネンは亜麻色と呼ばれるリネン本来の色目を用いて、緯糸に染め糸のウールを打つことでナチュラルなトーンに仕立てています。
こうして美しく紡がれた生地を、さらにKIGOで後染め加工を施し、粗野な雰囲気を加えています。
KIGO初のジャケットを、LEATHERS DAYで発表

8年にわたる革の開発を経て、ようやく完成したGP JACKET。
ブルの荒々しさを覆い隠すのではなく、その個性を残したまま、毎日着たくなるほど身体に馴染む一着へ仕立てました。
本製品は、LEATHERS DAYのKIGOブース【#53】にて発表し、実物の試着・予約注文を受け付けます。
ご希望の方はサイズのカスタムオーダーも承ります。
<Leathers Day TOKYO,2026>
日時:9月26日(土)11:00-18:00
9月27日(日)10:00-16:00
場所:TOC GOTANDA EXHIBITION HALL(TOC五反田展示場)
革作り・モノづくりは、物理であり化学です。
科学的な分析と、受け継がれてきた技術。理にかなった製造工程を追求し続けた先に、KIGOが考えるブルハイドレザージャケットの一つの答えが生まれました。
ぜひ会場で、革の表情と質感、そして袖を通したときの身体への馴染みをお確かめください。
■製品概要
販売価格:308,000円~
カラー:Black
サイズ:M/L/XL
素材:YUI for Jacket




















